2024年が明けました。いまだ中国発コロナウィルスが蔓延しているだけでなく、インフルエンザ、アデノウィルス、連鎖球菌が大流行しています。街や通勤電車で咳をしている人が少なくありません。国民の免疫機能が低下しているようです。コロナ感染やワクチンの後遺症でなければいいのですが。

 コロナ蔓延や未知ウィルスのパンデミックに対して、WHOが世界の人々にmRNAワクチンを、強制的に義務化する法律(パンデミック条約)が本5月に決まりそうです。しかし、コロナワクチン副反応で多くの死者が出ている現状があります。日本政府はその情報を公開していません。この悪しき流れに私達が声を上げる必要があります。

 

さて当クリニックは今年で開院10周年を迎えます。新患者数は、まもなく5000名を越えます。沖縄、海道など全国から受診されています。これも皆様のご支援、ご指導のお陰と感謝申し上げます。FinometerNIRSによる脳代謝循環評価を用いたActive standing Head-up tilt(FAST & HUT)による精度の高い診断と最適な治療を提供していきます。

 

 

いま戦争が全世界に広がりつつあり、大戦争の不安がよぎります。しかし仏神は私たちとともにおられます。正しい時代が来るようにお祈りし、悪しきに負けない強い心でこの1年を過ごしたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

 当クリニックでは治療効果を高めるために、ご希望の方へは、子どもご本人と保護者様を別個に診察(面談)も行っています。

別個の診察(面談)では、お子様とは別に保護者様のカルテを作成いたしますので、ご希望される方は保険証をお持ちください。

 

日本小児心身医学会理事長時代における理事長挨拶集

2008年掲載)

26回日本小児心身医学会大会(大宜見義夫大会長)が沖縄で平成201017日から開催され、同日の総会におきまして、冨田和巳前理事長の後任として新理事長を拝命いたしました田中英高でございます。この場を借りて、ご挨拶申し上げます。

日本小児心身医学会は今年で設立26年を迎えました。本学会も年々発展して参りましたが、それを上回って小児心身症の罹病率は増加し続けています。このことからも本学会がより一層のパワーを身につけて社会に貢献し続けなければならないと考えています。

本学会は設立当時より小児科医への心の診療医養成に取り組み、毎年、各種の研修会を継続開催してきました。そして2005年、心身症ガイドライン(起立性調節障害、摂食障害、不登校)を発行し機関誌に順次掲載しております。またそれらを用いた研修会を開催し多くの専門医に参加して頂いております。さらにバリエーションを増やすため、今年度から、「繰り返す子どもの痛みガイドライン」の作成を計画しているところであります。一方で、全国の多くの子ども達へより良い心の診療を提供するためには、より多くの専門医を全国各地に養成する必要があります。同学会は全国に5箇所の広域地方会を新設し、地域に密着した研究と研修を推進しております。

子ども達が夢と希望を持つことができる地域や国は私達の理想です。そのためのユートピア建設を担う小児医療関係者の皆様のニーズに応えるため、会員一同智慧を結集して努力・精進を続けたいと考えております。今後とも、ご指導、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本小児心身医学会理事長
田中 英高

 

新年のご挨拶(2009年掲載)

「心の時代」を迎えて

新年明けましておめでとうございます。本年も日本小児心身医学会をどうぞよろしくお願いします。この場を借りまして、新年のご挨拶をさせて頂きます。

1.これまでの主な活動や事業について

これまで本学会は研究だけでなく、子どもの心の診療を推進するために様々な活動を行って参りました。その概要は以下の通りです。
(1)
心の診療医を増やすため、年次学術集会最終日に一般医向け研修会を継続的に開催してきました。

(2)研修委員会では、専門医養成のための「イブニングセミナ」:過去9年間開催し延べ900名以上の参加がありました。これらのセミナは厚生科学研究とも共同開催をしてきました。

(3)研究委員会では学会主催多施設共同研究を推進しています。心身症診療ガイドライン作成事業を2002年に着手し、4つの多施設グループが4年以上をかけて、全人医療の視点から各種心身症診療ガイドラインを作成し、その啓蒙活動を行っています(小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン、摂食障害の手引き、不登校ガイドライン、EBMグループ)。本年度からは、「繰り返す子どもの痛みガイドライン」「災害時のメンタルヘルス対策」にも着手しております。

(4)編集委員会では機関誌(年2回)を発行し多くの研究成果を報告しています。また上記ガイドラインを掲載しその啓蒙に努めています。

(5)地方会委員会では、より多くの専門医を全国各地に養成し小児心身医療の地域連携を活発化するために、全国に5箇所の広域地方会を新設し、研究発表ならびに専門医養成研修会を推進しております。

(6)保険委員会では、心の診療行為を普及し定着させるために診療報酬改定に尽力しています。

(7)薬事委員会は薬物の適正使用を推進し、オーファンドラッグ、オフラベルの問題を解決し、心の診療の円滑化に大きく寄与しています。

(8)子どもの心の診療に携わる他の学会と緊密な連携をとるため、「子どもの心の診療関連医学会連絡会(通称6医学会)」に積極的に参加しております。

2.日本小児心身医学会の目指すところと、その使命

さて、当学会の目指すところは何か、当学会の使命は何か、について私の考えるところを述べたいと思います。

現代という時代は科学文明が発達し物質的に豊かになり、先端技術が導入されて世界は大きく変わろうとしています。しかしそのような物質的進化の中にあればこそ、人々はほんとうの心の豊かさ、心の幸福を求めていると感じます。それは医療においても例外ではありません。近代医療は身体を治療することから始まりました。それを「第一世代医療」と名付けるなら、心身医療は「第二世代医療」と言えるでしょう。心と身体の関係を明らかにしつつ、心身両面から様々な治療法を用いて身体機能の回復や行動変容の改善を図ることが目標でした。これからもより洗練された効果的な心身医療の開発を目指すことが必要です。これらの医療モデルは、病気になったというマイナスな事実に対して、病気を治してゼロのレベルに引き戻すことを目的にしています。先端医学の発達はこのマイナスからの脱却に大きな役割を果たしてきました。

しかし、これからの新時代にはマイナスからゼロに引き戻すだけの医療では少し物足りないように感じます。人々は、本当の幸福を手にすることができるような医療を求めはじめるでしょう。そのニーズに応えるための「第三世代医療」の提供が必要となると思います。病気という人生最大の危機に出会った時に、単に病気から回復するだけでなく、それを大きくプラスに転じて素晴らしい人生を築き上げるお手伝いをするのが第三世代医療ではないかと考えています。

心身症は、別の見方をすればありがたい事象かもしれません。身体の不調は、心の不調和の現れであり、心身症はその心の不調和に気づくチャンスです。人には様々な煩悩や葛藤があります。それが心の不調和を起こし身体に変調を起こしてきます。であるならば、正しい心の探究を行い智慧によって煩悩を断ち切り心の調律をする必要があります。自らにして心の苦悩を見事に解決したとき、人生の一つの問題を乗り越えたという満足感があり、生かされている喜びと、新たな人生を生き切る使命を実感するでしょう。

子どもの心身症は貴重な意味を持つ人生ドラマの一コマです。親にとっては重要な警告であり、かつチャンスです。人生は一冊の問題集、という考え方がありますが、苦しみの奥に家族にとってのダイヤモンドが眠っていることがあります。人生すべてに学びあり、と気づくことができ、さらに確信することができたならば、その幸福感は得難いものになるでしょう。「病気が治っただけでなく、家族はもっと大きな幸福感を掴むことができました」と実感していただけるように、そのためのお手伝いを、爽やかな風の如くにやり続けること、それが第三世代医療であり、私達のミッションなのだろうと思います。

まだ多くの医療者は、その意識がまだ身体治療中心の「第一世代」で止まっているように見受けられます。我々自身の意識改革と、医療のパラダイムシフトが必要です。これから様々な角度から、新しい戦略と戦術によって目的を達成したいと考えます。本学会員の皆様とともに、智慧を結集し、努力・精進を続けて社会に貢献したいと思います。また関連領域の皆様におかれましては、是非、ご入会下されば幸甚でございます。今度とも皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

日本小児心身医学会理事長
田中 英高

 

平成21年度 初夏のご挨拶(2009年掲載)

200961

説得力のある学会を目指して

平成21年度がスタートしてすでに2ヶ月が経ちました。皆様におかれましても、フレッシュマン/レディが診療に参画され、無事軌道に載った頃でなないでしょうか。今年は、連休明けから新型インフルエンザが日本を騒がせました。しかし、私達国民の力によってそれも無事に乗り切ることができそうです。今後、いつ何時、また国民を脅かす国難が来るかも知れません。それに備えつつ、より一層社会に貢献し未来を切り開くためにも、本学会としましては、会員一同、尽力していきたいと気持ちを新たにしております。この場を借りまして、学会からのメッセージを掲載致します。

【第27回日本小児心身医学会大会(会長 石崎優子・関西医科大学小児科) 兼 第1回日本心身医学5学会合同集会】

日時・場所:2009年6月5日—7日・東京国際フォーラム 
いよいよ、今週末から心身医学関連の国内学会が一同に会する第1回日本心身医学5学会合同集会が開催されます。小児から成人に至る心身医学上の様々な課題やトピックスについて、小児科医からの視点、内科医からの視点、精神科医からの視点で議論されます。日本歴史上初となる試みであり、石崎優子会長をはじめ、全5医学会の大会長、運営員が全力を投入して情熱的に企画を進めました。これまでの運営が異なる5つの学会を一度に開催するためには、大変な困難を伴いました。とくに、本学会では石崎大会長が奮迅の尽力をされましたことを、この場を借りまして報告致します。さらには学会員全員の支援があったことから、演題数も予想をはるかに上回りました。心からお礼申し上げます。
詳細は、 
http://www.jsp5cc.org/ をご覧下さい。多くの方のご参加を心からお待ちしております。

【本学会の未来ビジョン】

本学会の過去27年間の活動をふり返ってみると、先達がこの領域においてオピニオンリーダーとしての役割を見事に果たしてこられました。しかし、広く日本全国を見た場合、一般小児科診療のなかで心身症や心の診療が充分に根付くところまでには至っていません。なぜなら、まだ専門医の数が少なく、初診まで何ヶ月も待たなければならない現状があるからです。

そこで、心身症診療においては一般小児科医に初期診療のご協力をお願いしております。一般診療での負担を軽減すべく、保険委員会が診療報酬上の改訂という点から取り組んでおります。さらに心の診療に取り組めるためのハード面、ソフト面での基盤整備が必要であり、関連する他学会や、関連する国家施策との協力連携を行い、効果的な診療体制の構築を急ぐ必要があると考えています。そのためにも本学会は、さまざまな未来ビジョンを掲げています。そのビジョンを達成するための事業では、説得力のあるプロダクトを創出することに力を注ぎたいと考えております。本HPでは、以下の2つの事業についてご紹介致します。

【『小児心身医学会ガイドライン集:一般小児科医が日常診療に活かす4つのガイドライン』 日常診療に説得力のあるテキストが完成!大規模研究までも見据えた多施設共同研究心身症ガイドライン】

本学会は設立当時より小児科医への心の診療医養成に取り組み、毎年、各種の研修会を継続開催してきました。しかし、コンセンサスのあるテキストがなく、標準化された研修がなされていませんでした。小児科医に心の診療へ広く参画してもらうためには、日常診療に説得力のテキストが必要でした。その一方で、養成された専門医が効果的な医療活動を展開するためには、心身症の疾病動向を把握することも必要でした。各心身症の疾病対策を講じるには、標準化された方法によって発症率や治療効果を研究する必要があります。これらの理由から、他施設共同研究による各心身症ガイドラインの作成と、それに基づく疾患動向調査を行うことを計画しました。

会員の総力を挙げ、心身症ガイドラインは、起立性調節障害(2006年)、神経性無食欲症(2008)、不登校診療(2008)の3つがすでに発行され、機関誌に順次掲載しました。さらに、一昨年から急ピッチで作成を進めて参りました「くり返す子どもの痛みガイドライン」につきましても、石崎グループ長が尽力され、無事、2009年5月に発行することができました。

なお、これらのガイドラインは、20096月、南江堂から『小児心身医学会ガイドライン集:一般小児科医が日常診療に活かす4つのガイドライン』として発行予定です。第1回日本心身医学5学会合同集会(第27回日本小児心身医学会大会)では、展示販売する予定です。是非、お求め下さい。

【子どもの心の診療医養成事業】

現在、国は「子どもの心の診療医養成」事業を展開しており、本学会も積極的に協力しつつ、独自の方法で力を入れています。これに関する現状については、本学会機関誌「こどもの心とからだ」と本HPに掲載致しました。是非、お読み頂きますようお願い致します。
こちらから

当該事業では、心の診療の専門性を勘案し、一次診療担当、二次診療担当、三次診療担当という段階をイメージして、小児科医が子どもの心の診療に無理なく参画でき、興味を持ちながら自己研鑽学習ができる方向性の実現を目指しております。

今年度から、発行されました上記の4つのガイドラインを効果的に使用し、わかりやすい実践的な研修会を開催したいと考えております。さらに全国の小児科医が身近で研修会に出席できるように、全国にある5箇所の地方会において、研修会を積極的に開催する計画です。研修会にご参加下さいました皆様方の意見を集約し、子どもの心の診療に効果的なハード、ソフトの開発を今後とも続けたいと考えています。

全国の小児科診療に携わる医療関係者におかれましては、是非、日本小児心身医学会地方会にご参加下さり、さらには最新のスタンダードである4種類の心身症ガイドラインをご利用くださり、激務の日常診療を乗り切って頂けることを心からお祈り申し上げます。

次回のメッセージでは、本学会の認定専門医制度について取り上げたいと考えています。乞うご期待!

日本小児心身医学会理事長
田中 英高

 

平成22年 新年のご挨拶

平成22年、2010年が幕開けしました。このHPをご覧頂いている皆様に心から感謝し、この場を借りて新年のご挨拶をさせて頂きます。

本学会は新役員構成をもって1年3ヶ月が経過しました。その間の学会事業活動、および新年の取り組みを報告致します。

まず、昨年、第 27回日本小児心身医学会学術集会(関西医科大学小児科 石崎優子大会長)は、東京国際フォーラムで平成21667日に開催しました。今回は心身医学に関連した国内学会が一同に会し「第1回日本心身医学5学会合同集会」として初めての試みをしました。小児心身学会のテーマは、「子どもの心身の発達を支える心身医学」であり、石崎先生の感動的な会長講演「私の心身医学」をはじめとして、個別シンポジウム「小児慢性疾患のキャリーオーバー;キャリーオーバーから移行期のケアへ」、イブニングセミナー「面白くってためになる 小児心身医学を専門家と語ろう」、プレリミナリー「ADHD児のQOL改善をめざした包括的治療:チームアプローチ」、丁度発行されたばかりの「くり返す子どもの痛みの理解と対応ガイドライン」の解説講演があり、いずれも大盛況でした。ただ気になった点は、合同開催シンポジウムが多かったためプログラムが目白押しとなり、本学会の一般演題を充分に聞く時間がない、事務上の混乱など数多くの課題を残しました。直後に行った会員への開催後アンケート結果からは、会員の多くは毎年の単独開催を望んでいると言えます。

さて、本学会は昨年も各種委員会が精力的な活動を行いました。また、その情報を広く外部に発信したこと、地方会を中心とする地域での活動を活発化できたことで、多くの小児科医に賛同頂き、お陰様で会員数が増えております。大変にありがたいことであり益々の励みにしたいと思います。たいへんに簡単ですが以下に活動をまとめました。重要な情報も含まれていますのでお読み頂ければ幸いです。

1.   認定医制度委員会(岡田あゆみ委員長):小児心身医学に関する広い専門知識と豊かな臨床経験を有した医師に対して、学会が独自に定めた要件を満たす「認定医」を制定する予定である。22年度から制度施行と試験を開始するため、現在鋭意整備中である。

2.   研修委員会(汐田まどか委員長):22年度のイブニングセミナーのテーマは認定医制度と関連して「学会認定試験用の患者レポートの作り方」。

3.   研究委員会(小柳憲司委員長):多施設共同研究事業・心身症診療ガイドライン作成に着手し(2002年)、今年度は小児起立性調節障害、不登校、神経性無食欲症、くり返す子どもの痛みの四つをまとめて、南江堂から「小児心身医学会ガイドライン集:日常診療に活かす4つのガイドライン」を出版した。各方面から好評を頂いている。

4.   編集委員会(宮本信也委員長):機関誌(年2回)を発行。最新の研究報告、また上記ガイドラインをも掲載し、充実した内容。編集委員を増やして活動を活発化し、出版を迅速化させた。

5.   薬事委員会(石崎優子委員長):薬物の適正使用(オーファンドラッグ、オフラベルの問題解決など)を推進するため、日本小児神経学会、日本小児精神神経学会と協力体制でアンケート調査を行い、厚労省への申し入れを行っている。18歳以上や6歳未満への適正使用についても調査中である。

6.   地方会委員会(井口敏之委員長):全国各地の専門医養成、地域連携の活発化を図るため、全国6箇所の広域地方会が、研究発表や専門医養成研修会を推進。地方会開催が契機となり入会者が増え、会員数は現在、約930名である。来年度から関東甲信越地方会が発足予定である。

7.   保険委員会(藤本保委員長):子どもの心の診療行為を普及・定着させるため、内保連に加入し診療報酬改定に尽力している(日本小児科学会の分科会としては希少な存在)。

8.   ホームページ委員会(氏家武委員長):平成19年度に大幅に更新、子どもの心の二次診療医向けテキストや地方会情報を満載。また会員専用ページから各種ガイドラインがダウンロードできる。

9.   会則委員会(竹中義人委員長):会則に盛り込んだ賛助会員制度、名誉会員制度を実効あるものに改訂、本学会初めての名誉会員が誕生した。今度、本学会の社会的認知度と信頼度を高めるための会則作成とその遂行に当たる。

10.            庶務(村上佳津美委員長):本学会活動の頭脳、手足として尽力。「子どもの心の診療関連医学会連絡会(通称6医学会)」にも積極的に参加し、小児科、精神科関連学会と各種活動を連携中。

本年はこれらの事業をさらに活発化し、小児心身医療の縦と横への発展を目指します。縦の発展とは専門的診療の開発と充実を意味し、横への発展とは標準的な小児心身医療の普及を意味します。いずれにおいてもその成就には新しい方法を考え出す必要がありますが、『日本、そして世界の子どもたちに夢と希望を与える心身医学の創造』に寄与したいと考えます 

最後に、第28回日本小児心身医学会をご案内します。 2009910-12日、石川県文教会館、大会長は関 秀俊先生(金沢大学医薬保健研究域保健学系教授)です。テーマは、「子どもの心を育みレジリエンスを高める心身医療をめざして」。まもなく、HPで詳細が掲示される予定です。是非、一人でも多くの方に金沢にお越し頂きたい、そして子どもの心とからだを支えるための最新の知見と、皆様の心温まる素晴らしい交流を持って帰って頂きたいと心から願っております。

本年も日本小児心身医学会をどうぞよろしくお願いします。 

 

 

本学会認定医制度施行に向けて

日本小児心身医学会理事長 田中 英高

3月も終わりに近づき、年度末も迫ってきました。子どもたちや若者の新学年や新生活が始まります。希望に胸を膨らませている人も多いでしょう。

 さて、当HPにある「平成22年 新年の挨拶」ですでにお知らせしましたように、本学会は小児の心身医学に関して優れた専門的学識と臨床力を有する医師を育成し、子どもたちとその家族の健康の増進・福祉の充実に寄与することを目的として、認定医制度を施行致します。その主旨について簡単にご説明致します。

 昨今、子どもの心の診療医養成が重要な国策として位置づけられていますが、本学会は昭和57年に創設された当時より、すべての小児科医が心身医学を修め実践すべきであるとの理念を持って、その養成に長く取り組んできました。しかし、近年に至っても心に問題を持つ子ども達は増加しており、より専門的な診療が期待されている現状を考えると、一定水準以上の知識、技能、態度、温かい心を有し、かつ標準的な心身医療を実践できる経験豊かな臨床医を数多く輩出することが望まれます。

  このような背景から本学会は、昨年度より独自の認定医制度について検討を開始しました。その概要と制度施行については、昨年6月総会において承認を受けました。その後認定医制度準備委員会(委員長 岡田あゆみ)を発足し、1年以内という短期間ではありましたが、同委員会が認定医制度規約、細則、試験要項を作成しました。

  折しも昨年は、本学会から標準的診療の支援として「心身医学会ガイドライン集」が出版され、さらに日本小児科学会が将来の専門医制度開始に向けて各分科会にサブスペシャリティを養成するように求めるなど、ちょうど良いタイミングで本学会が認定医制度を発足することになったのではないかと考えています。 

 さて現在、子どもの心の診療医養成事業については、日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児精神神経学会を含めいくつかの学術団体が活動しています。それぞれは所属会員のニーズに合わせた養成事業を展開しており、その位置づけに関しては平成17年から各団体が集まって合議を繰り返しました。その概要については厚労省から見解が出され、また本学会機関誌とHPに掲載しています。(http://www.jisinsin.jp/demand.htm

 日本小児科学会や日本小児科医会などは、おもにレベル1診療医の養成事業に参画しています。一方、本学会は幅広く、レベル1〜3の養成を対象としています。本学会の研修会は、年1回開催される大会学術集会と年7回開催される地方会において実施されています。大会学術集会では最終日研修会はレベル1を対象に、イブニングセミナーはレベル23を対象に企画構成され、すでに前者は28年、後者は11年の歴史があります。また各地方会はおもにレベル1を対象とした活動を行っています。 

 本認定医制度は平成22年度より施行しますが、その目的はレベル2、およびレベル3診療医の養成にあります。初年度は、本格的な認定医制度に備えた暫定期間と位置づけて、理事が暫定的に認定医制度委員を務め受験者は評議員に限る予定です。会員の皆様には23年度から本格的に受験して頂けるように鋭意、取り組んで行く予定です。

 受験資格等の詳細につきましては近日中にHPに掲載します。認定医制度規約、細則、試験要項、申請書式を当HPよりダウンロードできるように致します。是非、ひとりでも多くの会員に認定医資格を取得して頂き、多くの子ども達の幸福に貢献していただけますように、心からお願いいたします。

 

 

理事長挨拶

残暑お見舞い申し上げます。

 蒸し暑い日が続いておりますが、会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
28回日本小児心身医学会大会(関 秀俊大会長)が近づいてきました。今回は、一般演題数が83題という過去最大級の発表者に恵まれました。皆様のご協力にお礼申し上げます。また、開催準備に鋭意尽力されている関大会長に心から感謝申し上げます。

【こどもの心の診療医養成に関する近況】

さて、これまでも申し上げてきたように、本学会は「子どもの心の診療医養成」を重要課題と位置づけてきました。多くの先輩諸氏は本学会設立当時の昔からその重要性を深く認識し、学会に研修委員会を設置して地道な活動を長年続けてこられました。たとえば、毎年の学術集会において地域の一般小児科医向け研修会を継続しています。また、専門医養成の一環としてイブニングセミナーも10年前から継続開催しています。現在では、全国7地方会が設立されて地元密着型で研究発表や研修会が開催されています。
(過去の詳細資料は、
http://www.jisinsin.jp/demand.htm)。
国も当該領域の重要性に気づき、平成10年から厚労科研による子どもの心の診療への対策が始まり、奥野班、小林班、柳澤班、奥山班と継続されています。また関連領域の学会が協力体制を構築しました。すなわち、「子どもの心の診療関連医学会連絡会議(通称、6医学会)」において、各学会からの役員を講師とした研修会を開催しています。本学会も積極的に協力しています。
ビジネスなどの世界では、ある目標を実現するには「戦略」と「戦術」を立てることが必要だと言われています。「戦略」は数年単位の長期的視点からの全体的計画です。一方、「戦術」は戦略を成功させるための具体的で効果的な方策です。たとえば、「待ち時間のない子どもの心の診療を実現する」「子どもの心の専門医が理想とする診療施設の充実」という現時点では夢のような目標であっても、これを実現させるために、まず戦略を考える必要があります。いま、当該領域に関して、わが国では幾つかの戦略的事業が複合的に同時進行しています。その一端について、今年、第113回日本小児科学会最終日、本学会と日本小児精神神経学会で合同開催した
分野別シンポジウム「子どもの心の診療医人材育成に関する新しい取り組み:とくに卒前・卒後『医師のたまご世代』への教育促進に向けて」において報告しました。このシンポジウムは千田 勝一会頭(岩手医科大学教授)のご理解とご厚意により実現しました。生憎、同じ領域のポスターセッション発表とバッティングし聴衆が少なかったので、その概略について報告致します。なおこの詳細は、近々に日本小児科学会雑誌から論文の形で報告されると予定です。

【子どもの心の診療体制充実に向けてのお願い】

当該領域に関してはまだまだ解決すべき問題は山積みです。お一人お一人の心の中には、診療上の様々な難問があることでしょう。初診待ち患者の多さ、患者の家族関係の修復の難しさ、スタッフが足りず一人で遅くまでの診療、相談する仲間も少ないなど、問題解決への道は長く続いているように見えます。しかし、最近の約10年間で子どもの心の診療をする者にとっては、かなり追風となったと感じます。その昔、小児精神神経研究会の創設期に尽力された先生方のお話しでは、周囲の小児科医達は当該領域に対する理解は全くなかったようで、大学病院などでは隠れるように心の診療をやっていたそうです。私自身、約二十数年前にOD、不定愁訴、不登校などの心身症の診療と研究を開始した時、「そんなしょうもないもん、するな」と公然と誹謗されました。強い逆風が吹いていた時代もありました。しかし、この領域にかかわる医師達は、これからの時代には子どもの心の診療は絶対に必要な領域である、と信念を持ってやり続けてきました。誰しもがこの領域の重要性を認めるようになる時代が来るなど、想像もできませんでした。子ども達の心の問題が増え続けているという時代背景があったとは言え、ここまで来られたのも多くの先輩諸氏の尽力の賜物と考えています。
本学会は先に述べた通り、すでに各方面で取り組みを開始しています。しかし、立てるべき戦略の範囲は、コメディカル、学校医、教育・福祉行政との連携を含めもっともっと多くあります。戦略を遂行するためには、新しい効果的な戦術を創造しやり抜く意志が必要です。学会が声を上げるだけでなく、学校医を管轄する医師会、教育行政、そして政府・政治家へ働きかけ、仲間になって頂き、協力してもらえる戦術を考えねばなりません。解決すべき諸問題は、その延長線上で考える必要があると思われます。
そのためには会員皆様の智慧が必要です。皆様の情熱と汗が必要です。熱い思い、ひたむきな情熱を持った素晴らしい人達が、本学会に1人でも多く集って下さることが必要なのです。影響力のある学会になれば戦略は実現していくでしょう。一昨年には本学会員が850名程度でしたが、「学会員数 1000名突破」を目指しましょう、と理事面々が尽力されています。その後、1年半で950名にまでになりました。1000名を越える日も近いと思います。これも会員の皆様のお力の賜物です。これからも周囲のお仲間に、「日本小児心身医学会に入会しましょう!」とお声をかけて下さい、かけ続けて下さい。
また専門性の充実も重要課題と考えております。その一つに認定医制度があります。本学会は今年9月12日に第1回試験を実施する運びとなりました。今年度は受験者を評議員に限定しましたが、来年度からは一般会員に順次、受験して頂きたいと考えております。
以上のように、多くの医師に本学会に集って頂き、そして専門性を高めて頂くこと、それが「子どもの心の診療体制充実」の実現につながっていくものと確信しています。子ども達の心が豊かに育まれる「ユートピア社会実現」という未来ビジョンに向けて、皆様とともに努力していきたいと考えております。今後ともどうぞご支援をお願いいたします。

平成22年8月2日
日本小児心身医学会
理事長 田中英高

 

 

理事長挨拶

「日本の未来を守る —第1回認定医試験の報告をかねて— 」

拝啓

今年は酷暑の夏が終わったかと思えば、あっという間に冬になってしまった感じが致します。会員各位におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、皆様にご報告がございます。去る平成22912日 第28回日本小児心身医学会大会(金沢市)を関秀俊会長(国立病院機構 医王病院)の下で開催しました。過去最高の一般演題数を含む様々なシンポジウム、教育講演、研修会を開催し、大成功で終えることができました。

特記すべきこととして、すでにお知らせしたように最終日に第1回認定医試験を実施致しました。今年度は移行措置のため受験者を評議員に限りましたが、22名の評議員が受験されました。試験内容は、筆記試験と提出された症例要約に関する口頭試問です。

当日の試験施行の流れは、認定医試験制度委員会(委員長 岡田あゆみ)が事前にシュミレーションを行うなど充分な準備をされました。また、受験者皆様のご協力もあり、お陰さまで、試験施行は滞りなく進めることができました。

試験は無事に終了し、直ちに試験委員会による判定会議を実施しました。そして厳正な審査の結果、22名の皆様が見事に合格されました。当ウエブサイトに指導医、認定医名簿を掲載しております。

認定医制度はまだ不備な点も多く改善が必要です。今後、皆様のご意見を踏まえて、改訂を行いたいと考えます。適宜情報を公開して参りますので、学会ホームページでご確認ください。

話はかわりますが、本学会認定医制度は『小児の心身医学に関して優れた専門的学識と臨床力を有する医師を育成し,小児医療の水準向上と進歩発展を図り,小児とその家族の健康の増進と福祉の充実に寄与することを目的』としています。なぜなら、本学会自身が子どもとその家族、そして社会の幸福を実現する一翼を担っているからです。子どもの心が健やかに育まれるような家庭と学校環境を実現し、その結果、子ども達が心の中に正しさと明るさ、自主性と協調性を育てながら、夢と希望を持てる国家社会にするために私たちは日夜努力しているといっても過言ではありません。
翻ってわが国の現状をみると、全く反対方向に向かっているように思われます。子ども達の手本となるべき一国の総理大臣が、尖閣諸島問題に始まる数々の失政に責任をとらず「石にかじりついても辞めない」と言い放ち、無為無策を続け、それを了とする政権与党、およびマスメディアが子どもたちの未来を暗澹たるものにしていると強く感じます。こんな大人たちを育てたのは日本の戦後教育であり、今や公立学校の教育崩壊は誰の目にも明らかです。その証拠に、現在も学校はいじめが横行、教員による児童・生徒への性犯罪は跡を絶たず、公立学校教員の性犯罪率は一般人の15倍と報道されています。他にも破廉恥行為は枚挙に遑がなく、人間失格教師が溢れています。国民の税金で賄っている教育現場の腐敗は末期状態です。このままでは日本の未来はありません。

私たちはこれに対して手をこまぬくだけではなく、医療、福祉、教育の側面から子ども達とその未来を守っていかねばならないと強く感じています。たとえば、こんな教育状況を少しでも改善する手立てが、私たちもあるはずです。私たちの多くは、子どもの健康保持のために学校現場と連携し、指導する立場にあります。人によっては『学校医』という立場から、『子どもの心の教育・心の健康予防』に指導できます。学校医は現場教師とより一層協力しあって、保護者にも心の教育、指導、啓発をすることができるでしょう。全国的に学校医はこれまで、子どもの心の問題への関わりは少な過ぎました。しかし、今や国策としてすべての小児科医に「子どもの心の一次診療」が期待されています。それと同じようにすべての学校内科医にも「子どもの心の一次対応」が期待される時代がまもなくやって来るでしょう。

今後は学校連携・学校医活動に力を注いでいく必要があるのではないか、本学会も学校医を束ねている地域医師会との連携・協力が重要だ、と強く感じています。私自身、府医師会学校医部会 副部会長に就任し、学校医自身が学校側のニーズにしっかり応られるよう、子どもの心の問題に関わる必要性を実感しています。
さて、1120日(土)、第41回全国学校保健・学校医大会が群馬県で開催されます。道都府県医師会から代表発表ではありますが本学会役員も講演します。会員各位に注意を喚起させて頂きたく、ここにお知らせ致します。ウエブサイトにアクセスして頂けたら幸甚です。
http://www.gunma.med.or.jp/41taikai/program.html
なお、各地方医師会連合学校医研究協議会は別途開催され、医師会員であれば参加できます。

私たちの教育現場や福祉行政への地道な活動は、その成果をすぐに現すことはないかもしれません。しかしながら、「子どもとその家族の健康と幸福の増進」という役割において、学会認定医は各方面でリーダーシップをとっていく立場にあると考えます。一歩一歩前に進み、継続し、そして協力者や賛同者を増やし続けていけば、必ず明るい未来が開けるでしょう。その素晴らしい時代がやってくるのを夢見つつ、ともに頑張って参りましょう。
今後とも、会員諸氏のご支援をお願いいたします。

敬具
平成221111
日本小児心身医学会
理事長 田中英高

 

 

理事長挨拶

謹賀新年

平成23年が始まりました。本学会ウエブサイトをご覧いただき、まことにありがとうございます。この場を借りて新年のご挨拶をさせて頂きます。

昨年の当サイトの挨拶で、小児心身医療の縦への発展(専門的診療の開発と充実)と横への発展(標準的な小児心身医療の普及)を目指し、日本、そして世界の子どもたちに夢と希望を与える心身医学の創造に寄与したいと述べました。すでに前回に報告しましたように、昨年は、第1回認定医試験を実施致しまし、22名が認定医を取得されました。そしてその中から続々と認定指導医の申請をして頂いており、現在、理事会で審査を進めているところです。標準的な心身医療の普及においては、本学会編 ガイドライン集(南江堂)を使った研修会を昨年も行いました。ガイドライン集の販売数は昨年12月に2000部を越え、増刷の運びとなりました。これも皆様の啓発活動のお陰です。心からお礼申し上げます。このガイドライン集は頻度の高い疾患を優先的に発行しましたが、これは各論としての位置づけです。現在、小児心身症の総論版を研究委員会で作成に取りかかっています。

本学会は新役員構成で23ヶ月が経過しました。各種委員会が精力的な活動を展開しております。以下に簡単に報告致します。

·認定医制度委員会(岡田あゆみ委員長):小児心身医学に関する専門知識と臨床経験を有した医師に対して、22年度から認定医制度を施行開始した。第1回認定医試験を9月に施行し、22名が認定医に認定された。23年度は、制度の普及と改善に努め、9月に第2回認定医試験を行う予定。

·研修委員会(汐田まどか委員長):第12回イブニングセミナーは「小児心身医学における症例レポートの作り方」のテーマで開催。今後は、卒前研修、卒後研修に分けそれぞれを充実させ、認定医研修も実施していきたい。

·研究委員会(小柳憲司委員長):2002年より多施設共同研究事業・心身症診療ガイドライン作成に着手し、2009年、小児起立性調節障害、不登校、神経性無食欲症、くり返す子どもの痛みの4つをまとめて、南江堂から「小児心身医学会ガイドライン集:日常診療に活かす4つのガイドライン」を出版した。その後も、さまざまな研究班が活動を継続しており、さらなるガイドラインの作成を目指している。

·編集委員会(宮本信也委員長):機関誌(年2回)を発行。最新の研究報告、また上記ガイドラインをも掲載し、充実した内容。編集委員を増やして活動を活発化し、出版を迅速化させた。

·薬事委員会(石崎優子委員長):2009年は小児への薬物療法の有害事象、適応拡大等の情報提供を行った。2010年は未承認薬の承認と小児への薬物の安全な使用法の普及を目指したい。

·地方会委員会(井口敏之委員長):昨年3月に関東甲信越地方会が開催され、全国で7つの地方会体制が確立した。地方会で独自の内容と顔の見える地域での横のつながりを大切にし、認定医の習得に向けた研修の場にもできる。そうした場づくりの支援と地方会同士の交流も行っていきたいと考えている。

·保険委員会(藤本保委員長):子どもの心の診療行為を普及・定着させるため、内保連に加入し診療報酬改定に尽力している(日本小児科学会の分科会としては希少な存在)。

·ホームページ委員会(氏家武委員長):子どもの心の二次診療医向けテキストや地方会、認定医制度に関する情報を満載。また会員専用ページから各種ガイドラインや認定医試験に必要な書式をダウンロードできる。

·会則委員会(竹中義人委員長):正会員の入会への迅速性や入会員の増加を図る目的で入会への細則を設けた。学会のロゴマークを募集し、そのロゴが決定された。今後その活用を推進していく予定である。今後も、本学会の社会的認知度と信頼度を高めるための会則作成とその遂行に当たる。

·庶務(村上佳津美委員長):本学会活動の頭脳、手足として尽力。「子どもの心の診療関連医学会連絡会(通称6医学会)」にも積極的に参加し、小児科、精神科関連学会と各種活動を連携中。

さてこの冬は、昨夏と正反対に厳しい寒さになりました。天変地異も世界のあちこちで起こっています。一昔前なら、人心の乱れや悪政への天の警告であると思われたでしょう。物質文明によって世には物が溢れていますが、人が如何にあるべきかという心の指針が見失われているようです。先日のあるテレビ報道では、街往く人々が、買えばなんでも手に入る時代なのに、どう生きていったらいいのか分からない、先行きのない不安を感じていると、皆が口にしていました。

物質的に豊かになると、ややともすれば人々は愛の心を忘れがちになります。口幅ったいようですが、愛の心とは、見返りを求めない心です。しかし、物質文明における経済活動では商取引を中心としたgive and takeの精神性が優勢になります。見返りがなければ成立しにくい文明であり、愛の心が薄らいでしまうのもやむを得ないのでしょう。いま、人間関係が殺伐としているのはそのためかもしれません。夫婦関係においても、子育てにおいても私たちは知らず知らずのうちにgive and takeの関係に陥っています。そして、自分がしてもらったことは忘れ、してあげたことばかりを大仰に考えてしまいます。『これだけのことをしてあげたのだから、、、』と。私たちが診療対象とする子どもや保護者は、愛に苦しんでいます。愛に見返りを求めてしまうからでしょう。

しかしながら、人の心と心の関係においては、give、すなわち「与える愛」の心が潤いとなり、救いとなります。愛にも他者を「慈しむ愛」、人を教育する「生かす愛」、憎しみを越えていく「許す愛」があるといわれています。私たちは心の診療に携わる専門家として、愛に苦しむ人々に大いなる愛の心を伝え、そして救いとなるために、今年もまた努力精進を重ねたいと考えます。本学会として貢献度をますために、日本だけでなく世界にも目を向けて情報発信を行く必要があろうと考えております。皆様のご指導、ご協力をお願い致します。

最後に、第29回日本小児心身医学会をご案内します。
2010
916-18日、村上 佳津美大会長(近畿大学小児科)の元で、大阪総合保育大学で行います。テーマは、『子どもの心とからだの多様性を考える心身医療』です。まもなく、当サイトで詳細が掲示される予定です。是非、一人でも多くの方に大阪にお越し頂きたい、そして子どもの心とからだを支えるための最新の知見と、皆様の心温まる素晴らしい交流を持って帰って頂きたいと心から願っております。

 

 

 

理事長挨拶

日本小児心身医学会 会員の皆さまへ

拝啓

 やっと秋らしい気候となりました。会員の皆さまにおかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。また、平素より学会活動にご尽力頂き、まことにありがとうございます。皆さまのお陰で現在会員数は、1000名を突破いたしました。3年間で約2割増の急成長です。先生方のご支援に心から深く感謝申し上げます。

 先の9月に開催されました第29回日本小児心身医学会学術集会では、参加者は380名を越え、過去最高となりました。大会長の村上佳津美先生には立派な学術集会を主催して頂き、心からお礼申し上げます。非会員の方が約100名も参加して頂いたと聞き、とても嬉しく思っています。

 さて、大会に先立って開催された新理事会におきまして、本学会理事長に小生が再任されました。目覚ましく発展している本学会の理事長を再度拝命し、心の引き締まる思いであります。向こう3年間に渡り、会員の皆さまのご指導、ご支援を心よりお願い申し上げます。

 組織が発展するためには、その時代に応じた旗印が必要と思われます。ふり返って3年前、日本小児心身医学会の旗印として、『先見性のある学会』を掲げました。そして具体的な活動として、ガイドラインの作成・発行、独自の認定医制度を開始しました。さらに多くの方々が犠牲になられた東日本大震災では、支援活動を行うべく災害対策委員会を新設しました。また、すでに総会で承認されましたが、本学会は時代の流れに合わせて、専門医制獲得に有利な一般社団法人化を目指すことになりました。これらの発展的成果のすべては会員の皆様方のご協力、ご支援の賜物でございます。

 翻って現在の社会状況を俯瞰しますと、日本の未来を担う子どもたちは決して幸福な状況にあるとは言えません。これは私たちの日常診療で切に実感することです。家庭では、離婚の増加、虐待、家庭内殺傷事件、学校ではいじめ問題が解決せず、自殺する子どもが跡を絶ちません。政治は混迷し内憂外患、不況からの脱出も未だ遠く、うつ病が増加している状況です。このような事態になったのは、戦後60年以上に及び、子どもを育む心構え、他者への愛の心、自らの心の統御といった、人々の心の持ち方が長年にわたり問題があった結果である、と推定されます。人よりももっと多く欲しい、あるいは逆に適当に生きられたらいい、という自己中心的で浮き草のように生きている人たちも少なくないように感じます。このことからも、人作りの根幹となるべき学校教育は、いまこそ見直されるべき最優先項目です。物質的に豊かな時代にあって、いかに生きるべきか、正しさとは何かという人の道について、子どもたちに教える機会が極めて少ないような時代が半世紀も続いています。

 本学会会員である私たちは日常の診療経験から子どもたちの心の成長にとって、一体何が大切なのか、は肌身で感じていることでしょう。私たちの経験を生かし、社会に対して正しい方向を指し示すことが、本学会の使命であろうと強く感じています。今後、本学会はさらなる発展を目指す中で、子どもたちに、保護者に、そして社会全体に対して善き影響力を発揮することが重要だと感じています。

 次の3年間は『先導性のある学会』を旗印に、社会に進むべき方向を指し示すことができる学会を目指したいと思います。平たくいえば、社会を正しい方向に導き、子どもたちを幸福に導く「船頭さん」。言い換えて『先導性』を持つ学会、その叡智を磨き続ける学会を目指したいと考えます。

 そのためにも各種委員会等のさらなる活性化を計画しています。各委員会の新旧委員の交代を含め、委員会の組織編成、および方向性、具体的活動計画に関して検討しています。現在、新委員会が速やかに活動開始するための組織作りを行っているところでございます。

 これまでに多大なご支援、ご指導を賜りました会員の先生方には心からの感謝を申し上げますと同時に、今後も更なるご指導、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

敬具

平成23101
日本小児心身医学会
理事長 田中英高

 

理事長挨拶

日本小児心身医学会30周年に寄せて(30周年記念号巻頭言より)

 日本小児心身医学会は30周年を迎えました。まことにおめでたいことであり、大きな喜びと誉れを感じます。またそれ以上にこれまでの先輩諸先生方の多大なご尽力、ご指導に心からの感謝を捧げさせていただきます。

 本学会は昭和58年に創立致しました。当時から小児心身症が一般診療において増えつつある状況からすべての一般小児科医は小児心身医学を習得し、日常臨床に携わる知識・技能を獲得することを目標に、精力的な事業を展開して参りました。その詳細はすでに当学会機関誌だけでなく、日本小児科学会雑誌にも報告してきました。代表的事業として、様々な研修会開催、診療ガイドラインの出版、広域地方会の設立完了、学会認定医試験制度の開始が挙げられます。現在は法人化に向けての作業に着手し、鋭意準備中であります。

 平成20年、小児心身医学のより一層の発展が子どもの幸福、日本の幸福に寄与せんがために、「先見性のある学会」を旗印に、会員数1000人突破を学会目標の一つに掲げました。平成17年には821名、平成235月には1018名となり目標を達成致しました。これも会員諸氏、皆さまのお陰であると心から感謝申し上げます。

 ところで、日本は先の大戦では完膚なきまでに敗北しました。しかし、半世紀以上に及ぶ国民の弛まぬ努力によって荒廃から完全に立ち直りました。戦争を連想させる国家神道が解体され、物質的豊かさと平和を大目標としました。そして数十年、科学文明が高度に発達した一方で、精神性が追随していかなくなったといわれています。その悪しき兆候は、まず子どもを育みはずの家庭に、そして教育現場に表れてきました。人を愛する心、地域を愛する心、国を愛する心が学校教育から失われ、悪しき毒水が子どもたちの心を汚しています。

 しかし、誠実な人々、子どもたちが憂き目を見る世の中であってはいけません。気概のない、公約破棄でも責任を取らない政治家や官僚、浅薄で営利主義のマスメディアには、子どもたちの未来を任せてはおけません。美しい心、豊かな心、正しい心を取り戻すために、私たち会員のなすべき使命、天命は重大です。心や身体に悩み、苦しみを持つ子どもたちとその家族に日常診療を通して支援と救済を続ける志をこれまで以上に、強く維持すること、そしてそのための創意工夫と努力が大切です。すべての子どもと家族が素晴らしい新未来社会の担い手になるように、本学会がオピニオンリーダーとして「先導性」を発揮することが重要です。子どもの心と身体の専門家集団である本学会が、荒海を漂流する巨船の「船頭」として果たす役割は非常に大きいものがあります。私たち一人一人は一致団結し、沈没寸前の巨船を再浮上させる気概を持ち続けて参りましょう。皆さまのご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い致します。

平成2471
日本小児心身医学会 理事長
田中英高

 

理事長挨拶

いま、私達に求められる先見性と先導性とは(第21巻巻頭言より)

 今年の夏は猛暑でしたが、国民の努力で計画停電も回避できました。東日本大震災後の爪痕はいまだ大きく残っています。被災地の子ども達には家庭ストレス、学校ストレスが慢性的底上げ状態になり、心身症や精神症状が増加しています。日本小児心身医学会は、東日本大震災中央子ども支援センターの支援活動にこの11月から参画することになりました。皆さまのご支援に心から感謝申し上げます。

 このような手負いの状態にありながら、追い討ちの如く、国家としてあるべき姿を厳しく問われた年はありません。戦後長らく、夢や希望のない自虐史観と自己卑下的な学校教育を受けた子ども達が、健全な心と大局的な智慧を備えた立派な若者に成熟できたかどうか?心の発達や心身医学を学ぶ私達には容易に分かります。欲求不満から学園紛争に荷担した若者が、自己確立できないまま3-40年を経て熟年層になり、政財官マスコミに溢れ、国家運営に影響力を持ったこと、これは国難以外の何物でもなかった、と、ようやく国民も気づきました。政権交代などと持て囃されたのも束の間、この国の悲劇が一気に始まりました。戦後67年も経ってまだ自己確立できていない国家を、自己確立できていない未熟な人間(すわなち、責任を取らない人間)が国政を牛耳ったとき、隣人が善人でもない限り、見逃すはずはありません。民衆デモを巧に操り軍拡を続ける一党独裁・無宗教国家は、人権蹂躙、他国支配をくり返しています。今の尖閣問題は、序章でしょう。

 明るい新時代を築くには、まず私たち一人一人、自らの心の成熟こそが最重要課題です。戦後教育で失った大切なもの、すなわち、人を愛する心、人を敬う心、神仏を仰ぐ心、自助努力の精神、それらを取り戻し、人間として自己確立することです。さらに子ども達がこれらの心を育み温かい人間になるような家庭や学校教育を取り戻すことです。この普遍性に気づくことが、今の時代の「先見性」ではないでしょうか。私たちの心が変わらなければ、税金や福祉という社会制度を変えたところで、何も変わりません。自分が心を変えなければ、誰も変えてはくれないのです。それが人としてあるべき道であり、それを一人一人に伝えること、全世界の人々に伝えること、それが「先導性」だと感じています。本学会の果たすべき役割は大きく、無限です。会員の皆さまのご尽力をお願い致します。

平成24121
日本小児心身医学会 理事長
田中英高

 

 

平成25年度始めにあたり

謹白
 平素より本学会にご指導、ご協力を賜り、ありがとうございます。心からお礼申し上げます。
さて、平成25年度始めにあたり、ご挨拶を申し上げます。

 平素の本学会役員、会員の先生方のご尽力のお陰で、今年度はさらに新しい日本小児心身医学会へと発展して参ります。この場を借りて2点ご報告致します。

 まず始めに、本学会は今年度中に一般社団法人化を目指しております。本学会は日本小児科学会の公式分科会ですが、任意団体として活動しておりました。しかし、近年の子どもの心の診療に対する増え続ける要望と期待、災害における子どもと保護者への心の診療など、社会的にも本学会が非常にクローズアップされて来ました。より一層の社会貢献を果たすため、透明性、公平性の高い組織へと発展することが不可欠であると判断致しました。そこで、本学会会則委員会(委員長、竹中)を中心に3年前から準備を進め、総会の承認も得て、法人化への準備が整いました。今年の学術集会総会でご報告ができると思います。昨年度には、日本小児科学会が公益社団法人へ移行しましたが、分科会である本学会の法人化は望ましいものと考えます。会員の皆さまのより一層のご支援を賜りたく存じます。

 第2点目です。本学会は認定医資格制度を採用し、昨年度は第3回認定医試験を施行し、すでに58名(24年度末)が認定医資格を取得しています。本学会は、専門医資格制度を目指していますが、今年の3月にが日本小児科学会専門医を基礎専門医とする2階建専門医として認められました。これには本学会認定医制度委員会(委員長、岡田)、村上庶務担当理事が尽力しております。今後より多くの優秀な専門医を養成すべく、本学会としてより一層取り組みたいと考えています。

 さて話は変わりますが、しばらく暗闇の中にあった日本において、昨年末からようやく陽が差してきたように思われます。子どもの健全な心の育成には正しい教育が不可欠であり、平成18年10月、安部内閣は教育再生会議を設置しました。しかし、その後の福田内閣で頓挫、日教組が支持する民主党政権はこれを廃止。最近のいじめ問題再燃は、当然の結末でありましょう。幸い、第2次安部内閣の誕生で、本年1月に教育再生実行会議が開催(実質上の再開)され、すでに本年2月には、いじめの問題等への対応について第一次提言がなされました。その中で「いじめは絶対に許されない」「体罰禁止」が明確に打ち出されています。また時同じくして、2月の日本医師会学校保健講習会では「いじめ防止」の特別講演が行われました。座長は本学会の藤本保常任理事、演者は井澤一明いじめから子供を守ろう代表でした(日医NEWS,1236号)。 このように子どもの心を育むための取り組みが、政治でも医師会でも急展開で進められていることは大変に喜ばしい事であり、心から歓迎致します。本学会としても今年度はさらに社会貢献を行うべく、社会の幸福化実現事業の推進や意見発信を積極的に行い、「先見性」と「先導性」を具現化させていく所存です。皆さまのご支援をお願い申し上げます。

平成2541
日本小児心身医学会 
理事長 田中英高

 

 

理事長挨拶

一般社団法人としての日本小児心身医学会の役割(223号巻頭言より)

 

  日本小児心身医学会は本年7月をもって一般社団法人を取得いたしました。創立 30周年の本学会にとりまして誠に慶事であり素晴らしい節目であります。  ご賛同とご支援をくださった会員の皆様には心から感謝し、ともに喜びたいと思います。 この法人化を数年前から企画し周到な準備を担当された会則委員会(委員長 竹中義人理事)には心からお礼申し上げます。この法人化取得の意義をあらためて確認し、法人としての学会未来ビジョンを会員の皆様とともに 共有したく、この場を借りて一言ご挨拶いたします。

  一般論としては、法人格を取得する目的は、ある事業主が個人商店から脱皮して、会社のように事業を大きく拡張し軌道にのせることにあります。個人事業とは異なり、法人名義で銀行口座を開設し、法人として銀行から融資を受けることが可能です。 法人では法的な規定があり、法律遵守とそれに耐えうる組織運営が要求されます。すなわち、いわゆるパパママ商店ではなく、社会的に認知された「組織経営」に移行する、という意味です。このように考えますと、日本小児心身医学会は設立間もないころから 投票による役員選挙を含めて会則が整備され、会計決算、監査も厳しく、法人並みだったといえるでしょう。

  そのような学会がなぜ法人化取得の必要があるのでしょうか。もちろん時代の流れがあり、社会的信用度や認知度を上げるには必須だといわれています。しかしそれだけではありません。法人取得の最大の意義は、われわれ会員が本学会の目的達成を本気でやろう、 不退転の決意である、とわれわれ自身があらためて確認すること、そして法人化による「組織パワー」をさらに強化することだと考えています。

 では「本学会の目的」とは何でしょうか。創設時から重要視された理念は「一般小児科の中で心身医学は実践されるべきもの」であり、理念達成の目標は、「すべての小児科医は小児心身医学を修得し、日常診療に携わる知識・技能を獲得することを目標」 とすることであります。子どものすこやかな心身の成長に貢献せんとする小児医学分野において、心と体の両面を学問する小児心身医学が最も重要です。過去30年間、会員、および非会員であっても心身医学に理解を示していただいた先輩諸氏のおかげをもちまして、 この目標はかなり達成されました。具体的には小児科向けや上級医向け研修会を30年間続け、保険委員会が診療報酬を改善し続け(担当 藤本保理事)、他施設共同研究による診療ガイドラインを作成、認定医試験制度を設立し(担当 岡田あゆみ理事)、 東日本大震災を契機に災害対策を推進し(担当 藤田之彦理事)、これらの成果を報告する機関誌発行を倍増しました(担当 石﨑優子理事)。その成果として創設以来会員数が増え、昨年1,000名を超え、なお新入会員が増えています。今年の第116回日本小児科学会総会における 本学会ガイドラインの教育講演(村上佳津美理事)は、最終日の午後にもかかわらず300名を超す参加者がありました。小児科医への啓発活動はかなり成果が上がってきたと思われます。

  しかしながら小児心身医学の普及はまだ不十分です。なぜなら初期研修医たちの多くが小児心身医学になじみがありません。その理由は、すでに第113回日本小児科学会シンポジウムで小柳憲司理事が発表したように、医学部卒前教育で小児心身医学に関する講義を取り上げている大学がまだ非常に少ないからです。 今後とも小児心身医学の重要性を訴え続ける必要があります。しかし、声を上げるだけでは成果は上がりません。そこで関係部署、関係各位に直接に訴えてお願いしてまいりました。その成果もあり、『医学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン―平成22年版改訂版』(平成233月)の 小児期全般の到達目標に、「心身相関」や「小児心身症」が加えられました。これは大きな前進であると考えています。今後も、医学界だけでなく、教育界にも各行政など各方面において私たちの提言を理解していただく努力をする必要があります。

  小児心身医学が小児科診療やプライマリケアにおけるきわめて当然な基本知識・技能として根づき、そして小児医療・福祉全体の中で心身医学が核になり、教育界をも変革し、さらには日本で育つすべての子どもたちが素晴らしい大人へ成長し、「自分は幸福な人間です」と語れる未来がくるように、 私たちが不退転の決意で道を切り開いていきたいものです。一般社団法人へ移行のこの節目に、この気持ちを「組織」として共有していただければ望外の喜びでございます。

  最後に、本年91315日には法人化初回にあたる第31回日本小児心身医学会学術集会(テーマ:心とからだを育むよろこび)が、汐田まどか会長の下、米子で開催されました。厚生労働省 村木厚子事務次官の特別講演をはじめ、盛り沢山の企画に380名を超える参加者があり、学会の興隆ぶりを実感できました。 同時に一般社団法人化の祝賀会を開催、日本小児科学会会長 五十嵐隆先生、日本小児神経学会会長 大野耕作先生からご祝電を賜りました。会員を代表し、心からのお礼を申し上げます。来年、第32回日本小児心身医学会が大阪(国際交流センター竹中義人会長,201491214日)で開催されます。 大阪発の未来ビジョンを直感していただけたら大変に嬉しく思います。1人でも多くの方にご参加いただきたく、心よりお待ち申し上げます。

平成25111
一般社団法人 日本小児心身医学会 
理事長 田中英高

 

理事長挨拶

平成26年度を迎えて

謹白 
 平素より本学会にご指導、ご協力を賜り、ありがとうございます。心からお礼申し上げます。  

 冨田和巳前理事長から私が理事長を引き継ぎ、今年で6年目になります。本学会の役員、および会員諸先生方のご尽力とご協力のお陰で、さまざまな活動を展開し、数多くの成果を上げることができました。 その集成として、本年1月、日本小児科学会雑誌に「小児心身医学の現状と展望」と題して総説を寄稿し、巻頭を飾らせていただきました(日児誌2014;118:1-8)。 この場を借りてその概要を述べ、平成26年度を迎えてのご挨拶にさせていただきます。  

 最大の成果は、「小児心身医学の小児科医への普及」であったかと思います。これは冨田前理事長が設立当時から掲げてきた本学会の理念です。星加明徳元理事長時代に企画された各種心身症ガイドラインが南江堂から出版され(2009)、 この数年間で多くの小児科医に利用されるようになりました。さらに全国7つの地方会の設置で普及活動は進み、毎年約5%の会員数増加にも反映されています(平成26210日現在1124名)。  

 昨年、本学会は一般社団法人へ移行しました。法人移行の意義については前回述べましたが、一言で述べるなら「組織パワーを結集した理念実現への不退転の決意」です。 そして目指すべき目標は、心と身体の医学・医療を通して、すべての子どもとその家族が「自分は幸福な人間です」と語れる未来社会を実現することです。「信念を失ったその場しのぎの我々大人(冨田)」にならず、 人生の意味するところを深く洞察する人になることを強く願っています。すなわち池見のいう『全人医療の核、幸福の医学』としての役目を果たしていく所存です。  

 今年度の第32回大会は竹中義人大会長(たけなかキッズクリニック)の下、2014912()14()、大阪国際交流センターで開催します。テーマは『再考 子どもの心とからだ:職種の垣根をこえて』です。 多くの会員、ならびに関係者にご参加頂けますよう、心よりお願いいたします。  

 なお、以下に各種委員会の昨年度の活動概要をまとめました。今年度も引き続き、会員諸先生方のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

認定医制度委員会(汐田、岡田):第4回認定医試験を実施、20名が合格、現在78名、認定指導医42
研修委員会(汐田、渡邉):認定医試験にマッチした研修会を開催。
研究委員会(小柳、永光):診療ガイドライン入院編を完成。多施設共同心身症アウトカム研究が科研費と協同で実施中。公立学校でのデータ収集解析を終了。
編集委員会(石崎):年4号機関誌に原著、総説、診療ガイドラインを続々掲載。
薬事委員会(石崎、深井):適応拡大等の情報提供。
地方会委員会(藤田、梶原):非会員が参加できる全国7地方会から入会者続出。
保険委員会(藤本、永井):内保連に加入し26年診療報酬改定に尽力中。
広報委員会(田中、松島):小児心身医学の最新情報、e-learningHPに。社会への意見発信(日児誌:2014;118:1-8)。
会則委員会(竹中):一般社団法人移行、および当該規則を整備。
庶務(村上):財務、渉外担当。専門医機構連絡担当。

平成2641
一般社団法人 日本小児心身医学会 
理事長 田中英高

 

 

32回日本小児心身医学会学術集会を迎えて(232号巻頭言より)



 会員の皆様におかれましては、平素より学会活動にご支援、協力を賜り、心からお礼申し上げます。  第32回日本小児心身医学会学術集会は、竹中義人大会長(たけなかキッズクリニック)のもと、『再考 子どもの心とからだ:職種の垣根をこえて』を主題として開催いたします。 大阪での大会開催は6回目(そのうち1回は石﨑大会長が5医学会合同の東京開催)となります。当機関誌も年4回の発行となり、学術集会プログラム・抄録号が正式に機関誌として登録されて2回目になり、 一般社団法人としての相応しい内容の充実ぶりに感無量であります。

 冨田和巳前理事長から私が理事長を引き継ぎ、今年で6年目になります。本学会の役員、および会員諸先生方のご尽力とご協力のお陰で、さまざまな活動を展開し、数多くの成果を上げることができました。 その集成として、本年1月、日本小児科学会雑誌に「小児心身医学の現状と展望」と題して総説を寄稿し、巻頭を飾らせていただきました(日児誌2014;118:1-8)。この場を借りてその概要を述べます。

 最大の成果は、「小児心身医学の小児科医への普及」であったかと思います。これは冨田前理事長が設立当時から掲げてきた本学会の理念です。星加明徳元理事長時代に研究委員会が企画した 各種心身症ガイドラインが南江堂から出版され(2009)、この数年間で多くの小児科医に利用されるようになりました。さらに全国7つの地方会の設置で普及活動は進み、毎年約5%の会員数増加にも反映されています(平成26620日現在1141名)。

 小児心身医学に対する全国の小児科医の関心は非常に高く、第117回日本小児科学会、モーニング実践講座 日常診療における不登校児への対応 演者 村上佳津美(近畿大学堺病院)では、このように200名以上参加があった。(写真)本学会に対する全国小児科医の先生方の期待は大きく身の引き締まる思いです。 同学術集会では、福島大学医学部小児科 鈴木雄一先生が、日本イーライリリー優秀論文アワード(公益財団法人 小児医学研究振興財団、理事長 柳澤正義)を受賞しました(平成23年度には小林穂高先生(関西医科大学小児科)が受賞しています)。大変に喜ばしい事です。若手の医師が小児心身医学を リードしてくれる事を期待しています。

このように本学会は発展を遂げておりますが、その原動力となる研究委員会は2009年から永光委員長、小柳理事を中心に精力的にアウトカム研究、介入研究を展開しています。その成果が認められ、平成26年度には小児心身医学会研究委員会 摂食障害WGで申請した厚生労働科学研究課題 「小児摂食障害におけるアウトカム尺度の開発に関する研究」が採択されました。まことに喜ばしい事であり、今後ひとりでも多くの会員にご支援を頂きたいと切に願っています。

 昨年、本学会は竹中担当理事の精力的な活動により一般社団法人へ移行しましたが、その意義については前回述べました。一言で述べるなら「組織パワーを結集した理念実現への不退転の決意」です。そして目指すべき目標は、心と身体の医学・医療を通して、すべての子どもとその家族が「自分は幸福な人間です」と 語れる未来社会を実現することです。「信念を失ったその場しのぎの我々大人(冨田)」にならず、人生の意味するところを深く洞察する人になることを強く願っています。すなわち池見のいう『全人医療の核、幸福の医学』の実践者としての役目を果たしていく所存です。その目的のためにさらに専門性を高めるためにも 専門医制度は重要と考えています。近未来には小児科専門医のサブスペシャリティとして「子どもの心の診療専門医」が認定される可能性が高くなってきました。村上庶務担当理事が関連学会と歩調を合わせて精力的に取り組んでいます。一方で、子どもの全人医療には長い人生を見据えた視点、成人への移行期にある子ども達が 自らの手で幸福を得てほしいと願う視点が重要です。本学会としてもこの領域でリーダーシップをとっている石﨑編集委員長が小児慢性疾患患者の移行期支援に関して新しい取組を進めています。また東日本大震災からすでに3年半以上が経ちましたが、大災害勃発の可能性は常にあります。 災害対策に置ける子ども達への心の支援は、短期的、および長期的視点から行う必要があります。災害対策員会では藤田理事、北山委員長の主導で年末までに「災害時の子どものメンタルヘルス向上対策ガイド」が完成予定です。大いに活用できると期待しています。その他の委員会、すなわち認定医制度委員会(汐田理事、岡田委員長)、 保険委員会(藤本理事、永井委員長)、研修委員会(汐田理事、渡部委員長)も大きな成果を上げており、日本小児科学会総説で報告した通りです。

 今後とも本学会会員が一丸となって、小児心身医学を通して人々の灯火となるべく努力精進を続けたいと思っています。今後とも、ご指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

平成2671
一般社団法人 日本小児心身医学会 
理事長 田中英高

謹賀新年

 

 2023年が明けました。いまだ中国発コロナウィルスが収束せず、子ども達への悪影響が続いたままです。ODの子ども達が昨年も、沖縄や北海道など全国から数多く受診しました。

当クリニックでは、これまで通り、FinometerNIRSによる脳代謝循環評価を用いたActive standingHead-up tilt(FAST & HUT)による精度の高い診断と治療を継続していきます。

 コロナ蔓延は、まだ2年は続くだろうと予想されています。今の医学では特効薬はありません。不安は尽きませんが、仏神は私たちとともにおられます。幸福な新しい時代が来るように、お祈りいたしましょう。

なお、当クリニックは新築ビルに移転しました。表記の住所となります。

お手数ですが、住所録の変更をお願いいたします。

 

530-0047 大阪市北区西天満3丁目7-27 アーバネックス西天満1F

Tel: 06-6361-0700 info@odtanaka.com

謹賀新年

 2022年が明けました。中国発コロナウィルスによる外出自粛によって子ども達にまだ悪影響が続います。Stay Homeで寝そべりスマホ→デコンディショニング→ 自律神経機能悪化→ 起立性調節障害の発症。悪化したODの子ども達が今年も数多く受診しました。

 本年、当クリニックは8年目を迎えます。全県から受診された起立性調節障害の患者さんは5500名を越えました。当クリニックでは、FinometerNIRSによる脳代謝循環評価を用いたActive standingHead-up tilt(FAST & HUT)による精度の高い自律神経機能評価を、『可視化』で実施し、日本のみならず、世界で最も正確なOD診断を、その場でリアルタイムに実施しています。

治療は、現時点で最もエビデンスレベルが高い日本小児心身医学会『専門医向けODガイドライン』に従った方法で、認知行動療法や小児疾患カウンセリングを行います。また近隣医療機関との病診連携を行っています。

 コロナは一旦、収束していますが、今の医学では特効薬はありません。不安は尽きませんが、神様は私たちとともにおられます。幸福な新しい時代が来るように、皆さまも神様にお祈りしてください。祈りの絆でコロナに対峙してまいりましょう。

 

皆さまの益々のご健康とご発展をお祈り申し上げます。

 

  謹賀新年

 2021年が明けました。昨年当初から、中国発コロナウィルスのパンデミックによる大災害が勃発し、年を越して益々猛威を振るっています。外出自粛や休校によるデコンディショニングの悪影響で、ODの子ども達は一気に病状が悪化し、またさらに新規のODが発症しました。当クリニックには、ODが悪化した子ども達が数多く受診しています。

 本年、当クリニックは7年目を迎えます。起立性調節障害の患者さんは全県から受診され5000名を越えました。FinometerNIRSによる脳代謝循環評価を用いたActive standingHead-up tilt(FAST & HUT)による精度の高い自律神経機能評価を、『可視化』で実施し、日本のみならず、世界で最も正確なOD診断を、その場でリアルタイムに実施しています。

治療は、日本小児心身医学会公認の『専門医向けODガイドライン』に従った方法で行っています。この治療法は、現時点で最もエビデンスを明確にしたものであり、治療効果が高いものです。それを子どもにも保護者にも積極的に前向きに取り組むために、認知行動療法や小児疾患カウンセリングを行います。また、重症患者さんについては、近隣医療機関との病診連携をお願いしています。

 さらに全国において、当クリニックの最新の診断・治療を提供できるように、地域専門医達へのトレーニングを行っています。今年もオンライン会議で共通認識を深めたいと思います。

 また大阪医科大学グループは、患者会である『Snow』によるODキャンプを行っています。今年は中国発コロナウィルスが収束すれば、開催できるかもしれません。多くの子ども達の参加を期待しています。

 

中国発コロナウィルスは、ワクチンができても、しばらくは続くでしょう。経済打撃も大きく、地球全体が厳しい状況に置かれています。少しでも早く収束するように、皆さまも神様にお祈りしてください。

 

皆さまの益々のご健康とご発展をお祈り申し上げます。

 

年頭のご挨拶

 

2020年、当クリニックは6年目を迎え、起立性調節障害の患者さんは全県から受診され約4500名になりました。

 

当クリニックでは、開院当初から非侵襲的連続血圧測定装置(Finometer)と近赤外分光計(NIRS)による脳代謝循環を測定し、Active standing Head-up tilt(FAST & HUT)による精度の高い自律神経機能とOD評価を実施しています。私が大阪医科大学に在籍していた当時よりも診療機器が充実し、診療システムが格段に向上しました。

 

現在では、初診されたその日に、新しいサブタイプ分類を含めた高精度な診断と、今後の治療方針をお教えしております。一方、保護者さまには、精度の高い検査結果を踏まえて、子どもさんへどうような長期的な対応したらよいのか、適切なアドバイスをしています。

 

OD診療進歩の概要】

 振り返ってみると、19802000年台にはODを専門的に診療している医療機関は大阪医科大学小児科の他には少なく、全国各地の小児科では、症状の聞き取りと簡単な血圧検査だけで曖昧な診断をやらざるを得ないのが実情でした。

 

 1999年、大阪医科大学小児科で私が1985年以来に蓄積した経験から高精度の診断方法を確立しました。これによって皆さまが良くご存知のサブタイプ判定ができるようになりました。

 このようなOD診断の発展を踏まえて、2000年に日本小児心身医学会がOD診断治療ガイドラインの作成委員会を立ち上げ(委員長 田中英高)、2007年に全国各地の医療機関で実施可能な正確なOD診断と、エビデンス+専門家によるコンセンサスに基づく治療方針を発表しました。私が新しいOD診療の開発を目指した1985年からすでに22年が経過していました。その間に、第2世代のOD専門診療医が立派に技能を身に着けて、巣立ってくれるようになりました。

 

 今では、ODを専門的に診療し研究されているODグループが全国的に増えてきました。学会や論文発表が増え、さらに各種テレビ局や全国新聞などメディアに若手の出演もあり、大変に心強く嬉しく思っています。

 また医学部病院小児科と患者会が中心となって、ODキャンプを行っています。野外活動を通じて自律神経機能の活性化を促すだけでなく、患者さん同士の交流が深まり不安解消などの心理的な効果も実証されています。ODキャンプが全国的に普及することが望まれます。

 

         ∞・

 

【お礼とお願い】

 

当クリニックには、北海道や沖縄など遠方から受診される患者さんが多くおられます。

そのため、日頃の一般診療や通常の健康管理は、近隣医療機関であるかかりつけ医の先生方にお願いしております。受診時に、当クリニックでの診療結果と今後の治療方針を詳細に記載した情報提供書を患者さんにお渡ししています。

お陰様で、現在では、ほとんどのかかりつけ医の先生方がODの患者さんの一般診療を行っていただいております。また必要に応じて当クリニックにご連絡もいただいております。この場を借りて、心よりの御礼を申し上げると同時に、今後も地域医療の一環として、ODの患者さん達をよろしくお願いいたします。

 

 なお、当クリニックの初診予約は大変に混雑している状況です。患者さんにはご不便をおかけしていますので、当クリニックとしても一人でも多くの患者さんを診察させていただきたく思っています。

しかしながら、現在の社会問題となっている無断キャンセルや直前キャンセルが、当クリニックでも見られます。ギリギリまで様子を見て、出来ることなら受診したいというお気持ちは大変よく分かりますが、ご自分と同じ様にODで苦しんでいる多くの方のことを慮っていただき、受診予約日をキャンセルされる場合には、極力早くご連絡いただければ大変ありがたく思います。ご理解のほど、何卒よろしくお願いします。

 

 今後も引き続き、ODの専門診療のリーディングクリニックとして、さらに洗練した診療を目指したいと思います。本年も当クリニックをよろしくお願い申し上げます。

 

令和2年1月23日 田中 英高

謹賀新年

 

 2019年、当クリニックは5年目を迎え、起立性調節障害の患者さんは全国から受診され約4000名になりました。開院当初から非侵襲的連続血圧測定装置(Finometer)と近赤外分光計(NIRS)による脳代謝循環を測定し、Active standing とHead-up tiltによる正確なOD評価を実施しています。その概要を昨年の日本小児心身医学会シンポジウムで提示しました。

 

 振り返ってみると、1980~2000年台にはODを専門的に診療している医療機関は大阪医科大学小児科の他には少なく、全国各地の小児科では、症状の聞き取りと簡単な血圧検査だけで曖昧な診断をやらざるを得ないのが実情でした。

 

 1999年、大阪医科大学小児科で私が1985年以来に蓄積した経験から高精度の診断方法を確立しました。これによって皆さまが良くご存知のサブタイプ判定ができるようになりました。

 このようなOD診断の発展を踏まえて、2000年に日本小児心身医学会がOD診断治療ガイドラインの作成委員会を立ち上げ(委員長 田中 英高)、2007年に全国各地の医療機関で実施可能な正確なOD診断と、エビデンス+専門家によるコンセンサスに基づく治療方針を発表しました。私が新しいOD診療の開発を目指した1985年からすでに22年が経過していました。その間に、第2世代のOD専門診療医が立派に技能を身に着けて、巣立ってくれるようになりました。

 今では、ODを専門的に診療し研究されているODグループが全国的に増えてきました。学会や論文発表が増え、さらに各種テレビ局や全国新聞などメディアに若手の出演もあり、大変に心強く嬉しく思っています。

 

 当クリニックでは、私が大阪医科大学に在籍していた当時よりも診療機器が充実し、診療技能が向上しました。

現在、初診されたその日に、新しいサブタイプ分類を含めた高精度な診断と、今後の治療方針をお教えしております。

一方、保護者さまには、どのように子どもへ対応したらよいのか、適切なアドバイスをしています。

 

なお、当クリニックには、北海道や沖縄など遠方から受診される患者さんが多くおられます。

そのため日頃の一般診療や通常の健康管理は、近隣医療機関であるかかりつけ医の先生方にお願いすることがあります。

お願いする際には、当クリニックでの診療結果と今後の治療方針を詳細に記載した情報提供書を患者さんにお渡ししています。

現在、ほとんどのかかりつけ医の先生方がODの患者さんの日常診療を行っていただいております。また必要に応じてご連絡をいただいております。この場を借りて、心よりの御礼を申し上げます。

 

 

 今後も引き続き、ODの専門診療のリーディングクリニックとして、さらに洗練した診療を目指したいと思います。

本年も当クリニックをよろしくお願い申し上げます。

 

                                                    平成31年1月1日    院長 田中英高

   ごあいさつ

 

 2014年77日に『OD低血圧クリニック田中』を開院して、すでに2年半が経過しました。

 

起立性調節障害は完治するまでに数年かかりますが、治療終了できる子どもたちが増えるようになりました。しかし初診待ち期間が約半年と長く、何とか解消したいと考えています。

 

昨年、第34回日本小児心身医学会ではODの演題数が格段に増加し、当クリニックにも全国からOD研修に来られるなど、OD診療が普及しつつあり大変に嬉しく思っています。

 

今春、拙著『起立性調節障害の子どもの正しい理解』『同 日常生活サポートブック』を改訂、出版予定します。少しでも多くの方に役立つよう本年も努力精進したいと思います。どうぞご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

                                              院長 田中英高

謹啓

 例年になく、爽やかな初夏を迎えました。皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、「OD低血圧クリニック田中」を7月7日に開院いたしました。

開院準備に際しましては、多くの方々に多大なご支援を賜りましたこと、心より深く感謝いたします。

この場を借りて御礼申し上げます。

 

 私を始めスタッフ一同、ODで苦しむ多くの患者さま、ならびにそのご家族の皆さまのお役に立てますよう、より良い診療を心掛けて参ります。

しかしながら、何分初めてのことばかりで、不慣れな点、未熟な点も多々ございます。

患者さまにご不便、ご迷惑をおかけすることもあろうかと思いますが、何卒ご容赦下さいますようお願い申し上げます。

 

 ODで苦しむ皆様にとって「希望のクリニック」になるべく精進したいと考えております。ご意見、ご希望等々ございましたらお気軽にスタッフにお申しつけ下さい。

今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

                                                      謹白

 

                                                平成26年7月7日

                                                OD低血圧クリニック田中

                                                                      院長 田中 英高

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